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Bブロック
第1回戦 第2試合




インド代表 日本代表
ご主人様
チャンドラー・シン
メイド
カーミラ
メイド
葉山くみ子
ご主人様
細海健志
VS



選手控え室


 ここはインド側控え室。

 敢て前の試合の喧騒から遠ざかるように誂えてある一室。

 シンとカーミラは至って寛いだ様子で紅茶を飲んでいる、流石にここ日本の地で祖国のチャイを飲めるわけも無く、各選手に3人付いている大会のオフィシャルスタッフに願い出て調達してもらった極普通のミルクティ。
 それでも2人は、まるで自宅の居間にでもいるかのように寛ぎきっている。

「カーミラ、一応相手選手の予選のビデオは見たのかね?」
「ええ、なかなかに面白い戦い方をする女性でしたけどー」

 
淡々と冷静に、しかし相変わらずの間延びした口調でカーミラは語る。

「けど?」
「ヤツには全く関係していないようでしたしー、とりあえず勝っちゃって、ヤツの探索続けますー」
「そうかね・・・しかし、あの『ハイパーモード』厄介だとは思わないかね?」

 そう言ったシン自身も勝利そのものに疑問があるわけではなく、ただ彼女に対してちょっとした『宿題』を出すくらいの気持ちで質問しているようだ。

「血を見たら強くなっちゃうんですよねー。んじゃ血が出ないように戦ってみましょうかー?」

 それができるくらいなら誰も苦労はしない。
 現に日本予選の間でさえその共通点に気づき、かの葉山くみ子のご主人様狙い一点勝負で向かって行った者たちもいたが・・・

「そうなんですよねー彼女、『素面』でも強いんですよねー」

 とニッコリと微笑むカーミラ。

「困りましたねーわたくしの爪使っちゃうと、怒られちゃいますかねー?」

 そのセリフにも恐怖や心配が感じられず、逆に葉山くみ子の『ハイパーモード』を敢て発動させてみようかしら、と言わんばかりの表情である。

「まぁ、私から余計な注文は付けんよ。」
「わたくしもお預けのままですしー、無事に終わらせちゃいますー」

 そんな会話を交わしていると担当スタッフが現れ、

「インド代表のお二方、会場に入場されてください」
「はい、わかりましたわ」

 洗練されたクイーンズイングリッシュでカーミラが答えると

「さぁ始めようか」

 とシンが腰を上げた。

 彼らのMaid Fightは今、始まった。







 一方、日本側控え室。

 同じく葉山くみ子と細海健志。

 細海は緊張した面持ちながらくみ子の入れてくれた愛飲の玄米茶をすすっていた。

(ふぅ・・・とうとうここまで来てしまったのですね。最初にくみ子さんがMaid Fightなどに参加するときには正気の沙汰ではないと思ったのですが、ここまでくみ子さんがお強いとは正直思いませんでしたねぇ。)

 とシミジミとしていた。
 そしてふと

(流石のくみ子さんも今日ばかりは緊張してらっしゃるのでは?)

 そう思いくみ子の方に目を向けると、いつものように柔らかな表情のままに健志の側の椅子に腰掛け、自宅の子供のためにとせっせと編み物をしていた。

 どうやらマフラーのようだ。

 健志の視線に気づいて編み物の手を止めると

「どうなされました?ご主人様」

 きょとんとした表情は全く今から死闘が始まるということに相応しくない落ち着きが見られる。
 それを見て健志も少し緊張感から解放された気分になる。

「いいえね、くみ子さんは今からとうとう世界レベルの戦いに向かわれるのに、随分と落ち着いてらっしゃるなぁと」
「うふふ。ここまで来て慌てても仕方ありませんですしね。」

 とにっこりと微笑む。
 彼女はこの場に至っても全く自分のペースを崩していないようだ。
 するとふと何かを思い出したようで

「あらあら忘れるところでした。ご主人様、外は寒いでしょうから、これを」

 そう言って恐らく手製らしきマフラーを健志の首に巻いた。

「おや、私の分まで編んでくれたのですか」
「ええ、うちの旦那と子供達にも編んでますから、気になさらないでください」

 
そういったときにスタッフの1人が入ってきて彼らに

「葉山選手ならびに細海様、そろそろお時間ですのでご入場ください」

 と告げる。


 彼らのMaid Fightもここに始まる・・・・




続く





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